深圳に行ってきたら、向こうのITと交通に驚きすぎた話【ITサービス編】

3月に中国の深センへ行ってきた際の旅行記第2弾です。今回は、街中で見かけたIT系のサービスをまとめます。

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日本と同様のサービス

交通系電子マネー

香港との間にあるチェックポイント羅湖口岸から深センに入域。まずはホテルへ向かうため地下鉄に乗った。

深センには地下鉄やバス、コンビニなどで利用できる「深圳通」というICカードがある。どこの駅でも購入可能。絵柄は複数選べ、ICチップを搭載したキャラクター柄のキーホルダーのようなものも販売されていた。

旧正月明けだったからかかわいい戌の絵柄のカードを入手できた。

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深圳通

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裏面は路線図 細かくて読みづらい

どの駅でも購入できる反面、返金は「老街駅」近くにある事務所でしか出来ないとのことだった。ちょっとめんどくさい。外からの観光客が少ないため、払い戻しはあまり考慮されていないのかもしれない。

ちなみにICカードを利用しない場合は現金でトークンを買って利用できる。このトークンにもICチップが入っているようで、「深圳通」と同じ場所にタッチする。出場時は改札に挿入口があり回収される。 トークンの販売機が硬貨、少額紙幣しか使えない、硬貨の認識が甘いなどで評判が良くなかった。

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普通のコインに見えるが、プラ製で中にICチップが入っている

地図・乗り換え検索アプリ

中国では政府が「金盾(通称:グレートファイアーウォール)」というインターネット規制を敷いている。そのため「GoogleMaps」等、中国国外の地図サービスが利用できない。代わり中国企業百度が出している「百度地図」が、地図アプリではデファクトスタンダードになっている。

通常の地図表示に加え、建物の3D表示、ルート検索など、GoogleMapsで利用できる機能はほぼ全て利用可能だった。さらにショッピングモールなどではより詳細な位置案内を提供しており、自分が今いる階なども正確に表示された(Wi-Fiの電波で測位している?)。AR表示でのルート案内機能もあった。

ただアプリの動作はもっさりしており、インストールした途端、使っていなくても、端末の温度が常にいつもより数度高い状態になり、端末再起動も頻繁に起こるようになった(裏でめっちゃ通信している???)。

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歩道橋などもしっかりとルート案内される。動作が重い以外はかなり使いやすかった。

「金盾」によって出ている「百度地図」と「GoogleMaps」の違いは、次回の金盾編でまとめます。

出前サービス

日本でも、「Uber Eats」や「出前館」でかなり普及してきたweb出前サービスだが、深センではもっと普及していた。

特に「美団外卖」という出前サービスが広く利用されている。背中に黄色いカンガルーのロゴの入ったシャツを来た配達員が、お昼時に大量に走っていた。感覚的には、日本の郵便屋さんと全ての宅配業者を足し合わせたぐらい見かけた。

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次行ったときはぜひ使ってみたい

日本ではみられないサービス

非常に手軽な決済・送金サービス

日本でも「LINE Pay」などがようやく現れ始めたQRコード決済だが、深センでは一般に広く普及している。

特に「微信支付(英語名:We Chat Pay)」が広く普及。 登録してウォレット作成し、お金をチャージして利用する。相手の受け取り用QRコードを撮影、もしくは自分の送金用QRコードを見せることで決済・送金が完了する。

外資系チェーン店を始めコンビニ、キヨスク、個人商店、屋台を問わず、街中で「We Chat Pay」を利用できない店はみなかった。特に、屋台や個人商店など小さい店舗でも支払い用のQRコードが店頭にぶら下げてあるのが印象的。

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店頭のQRコード

日本人でもクレジットカードの登録でウォレット作成ができる。ただしウォレットへのチャージは中国国内の口座を持っていないとできない。(正確には限られた方法でできるがやや面倒。またブログで紹介します。)

チャージはできなくても送金を受けることはできるので、ホテルのフロントの女性に現金を渡し、送金をお願いすることにした。現金で100元を渡し、「ここにWe chat Payで送ってほしい」と自分のウォレットQRを示した所、私物のスマホで送金してくれた。 知らない人同士でも無手数料、かつほんの数秒で送金できる体験はなかなか衝撃的だった。

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実際に私に送金できます😀

大きめの「麦当劳(マクドナルド)」には写真のような端末がレジ前にあって、タッチパネルでメニューを選択し、支払い用QRコードを読ませると支払いまで完了する。コミュニケーションが取れない私のような外国人観光客はとても助かった。 レシートに番号が出てきて番号で呼ばれるまで待つのは日本と同じ。

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乗り捨て自由なシェアサイクル

街中のいたるところにカラフルな自転車が大量に放置されている。別にこれは不法投棄されているものではなく、利用を待っている「ofo」や「mobike」などのシェアサイクルサービスの自転車。

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黄色い自転車がシェアサイクルのofo。至る所がこんな感じ

アプリで自転車についたQRコードを撮影すると解錠できてすぐに利用できる。降りるときもアプリから操作すれば、自動で施錠、利用距離に応じた請求がされる。

若い人が短距離の移動にかなり利用していた。交差点ごとに大量にあるので探す必要が無い。一度の利用で数十円しかかからないこともあり、かなり手軽に利用されているようだった。

主に2つのサービスが普及しているが、仕組みがちょっと違っていて興味深かった。

  • 「mobike」   オレンジの自転車。アプリの地図上から自転車が探せる。QRコードを撮影すると自転車についた鍵が自動で解錠される。利用終了時にはスマホからの操作すると自転車についたGPSが測位し請求、施錠が行われる。

  • 「ofo」  黄色い自転車。「mobike」より後発。QRコードを撮影すると自転車に掛っている鍵の番号が表示される。利用終了時の請求はスマホGPSでの測位が利用される。鍵はユーザーが施錠する。

「ofo」の自転車はただの鍵付き自転車だった。GPSなどの自転車側の装置が一切ない分、設備投資を低く抑えているのだと思われる。実際、「ofo」の方が「mobike」よりやや安価らしく、利用が多い印象だった。

商業施設の前、地下鉄の出口、バス停、交差点の角には必ず複数台置いてあった。 それだけ普及すると、ユーザーはポートはおろか自転車を探す必要もなくなる。すると自転車側でGPSを備えている理由も薄くなったのかもしれない。

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「mobike」ではどこに自転車があるのかが探せる。がこの機能はあまり使わなそう・・・

まとめ

今回はITサービス編として、深センで見かけたサービスをまとめました。この分野に関しては、完全に日本の数歩先を行っている印象。UXも良く多分に見習うところがありそうでした。

今回、持ち込んだSIMカードはデータ通信のみで電話番号はありませんでした。そのためSMS認証ができず、いくつかのサービスは利用ができず悲しい思いをしました。次中国へ行くときに再チャレンジします。

ということで次は「金盾」についてまとめます

ではおやすみなさい。