深圳に行ってきたら、向こうのITと交通に驚きすぎた話【金盾編】

3月に中国の深センへ行ってきた際の旅行記第3弾です。今回は、中国のインターネット規制「金盾」の影響についてをまとめます。

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※ この記事は、3月下旬の時点で私が個人的に調べたものです。規制の状況は日々変化しているため、参考程度としてください。

金盾(great fire wall)の存在

中国国内には政府によるインターネットに対する検閲「金盾」がある。その中でもファイアウォール機能である「防火長城(Great Firewall)」が最も有名。

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関係ある写真が無かったので立ち寄った地下鉄駅から。街中には無数の監視カメラがあった。

中国国内のインターネット網からは、中国政府が定めるサイトやサービスへの接続ができない。特にSNSや位置情報系のサービスには厳しい。また切断されているサービスにアクセスしても404が返ってくるため、検閲されていることに気づかないようにされていた。

またサービス単位では切断されていなくても、

  • 通信パケット内に特定の単語が含まれている場合
  • 特定のキーワードを検索した後の数分間

なども規制の対象になっている。

後述の香港のVPNを経由するSIMカードを持ち込んでいたため、直接困る機会はなかったが、せっかくなので泊まったホテルのWi-Fiから金盾の内側のインターネットを体験してみた。

切断されていることを確認した主なサービス

Googleマップについて

Googleマップ」はGoogleのサービスであり地図アプリでもあるため、特に強い規制を受けている。今回は中国資本の「百度地図」と比較しながらその規制をまとめてみた。

Googleマップ」は中国国内ではかなりいびつな形でしか利用できない。まず検索など通信が必要な機能は全く利用不可能。事前にキャッシュしていた地図データを利用しても、そもそも座標系が意図的にずらされている、鉄道など軍事関連施設が収録されていない、などまともに利用できなかった。なおGPS測位は正常に行えた。

サービス同士の比較

ここから先、比較のスクリーンショットを並べ比べてみる。左が「Googleマップ」、右が「百度地図」

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ほぼ同じ場所でとったスクリーンショットだが、全然違う場所のように見える。

百度地図」では現在地すぐ西に鉄道走っていることが分かるが、「Googleマップ」では描かれていない。

さらに「Googleマップ」では香港との境界線もおかしい。実際には「百度地図」が示すような場所なのだが、「Googleマップ」では境界線ギリギリにいるように見える。中国本土と香港の表示する座標系が異なっている(意図的にずらされている)からという情報を聞いた。

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細かい道も微妙に異なる。「Googleマップ」では地図が最新では無いのかもしれない?

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中国国内のインターネット網に繋いでいると「Googleマップ」は検索が全くできない。

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VPN回線に繋いだ状態だと検索も利用することができる。ただ不穏な注意書きが・・・。

以上のように「Googleマップ」は金盾の内側ではまともに使えなかった。

突破方法

かなり強力なファイアーウォールを築いている金盾だが、検索すれば突破方法が色々と出てくる。 最も簡単な方法は香港のVPNを通す回線を持っていくこと。香港でそれ用のSIMカードが購入できる他、日本のアマゾンでもこちらのように安価で出回っている。

その他にもいくつかの方法があるらしい。現地の日本人などが突破方法を結構まとめてくれていて助かった。

まとめ

今回は「Googleマップ」を題材に中国のインターネット規制「金盾」をまとめてみました。 いずれも私が滞在した時点での情報であって、最新情報ではないのでご注意ください。

Googleなど世界展開しているサービスが規制されている分、それを代替する国内サービスが台頭しているように感じた。

など 実は産業育成も目的なのかも。そういった意味で深センは、技術とカネとユーザーが溢れる閉鎖環境と言える。

次回は深セン滞在で感じたことや滞在のTipsを書きます。

ではおやすみなさい。